<概要>
・ご要望形にしましたシリーズとは
・ポイント失効リマインドメールは効果があるか
・失効日までの購入率を知るのは大変
・計算属性(履歴)で購入回数を知ることができる
・「計算の起点日を変更」する機能の実装により汎用的に効果測定可
・その他の活用例
ご要望形にしましたシリーズとは
このシリーズは、皆様のご要望から生まれた機能について、開発の裏側をご紹介します!
日々、お客様との会話の中で、ツールに関するご要望をいただく機会が多いです。
いただいた要望は、名称「要望確認会」という社内定例会議にて、振り返りを行っています。
ポイント失効リマインドメールは効果があるか
数年前にあるお客様からこんなお問い合わせをいただきました。
「ポイントが失効する30日前に顧客へ定期的にリマインドメールを行っているが、
失効日前までに購入につながったかどうか知りたい。」
私たちは困りました。
「計算の起点日を変更」機能が無い時代では、
購入の有無がある顧客を抽出するグループの作成ができませんでした。
そのため、施策の有効性を知ることができなかったのです。
失効日までの購入率を知るのは大変
正確には「継続的に」知ることが大変な作業になります。
例えば、1/31にポイントが失効する100人がいたとします。
1/1にポイント失効のリマインドメールを行った場合、この方々が1/31までに購入に至ったかどうかは、
100人の1/1~1/31までの購買履歴を出力すればわかることです。
しかし、リマインドメールは日々定期的に自動で送信されます。
1/2、1/3、1/4・・・と、1日ごとに購買履歴を出力し購入率を出すことは非常にコストがかかります。
計算属性(履歴)で購入回数を知ることができる
さて、カスタマーリングスには機能「計算属性(履歴)」があります。
購買履歴から顧客一人一人の累計の購入回数や、初回の購入日などを計算してくれる機能です。
この機能により例えば「購入回数が10回以上の方」といった顧客の抽出は、SQLを書かずとも簡単にできます。
ただし、数年前までこの機能は常に「本日」を起点としてのみの集計でした。
例えば、本日が「1/15」ならば、1/15時点で累計の購入回数は分かります。
また集計期間を指定することもできます。
下記の図は直近1ヶ月以内の購入回数を集計する図です。
この集計を行うための計算属性(履歴)の設定は下記です。
今回のポイント失効リマインドメール施策を評価するには不十分でした。
なぜならば、起点日が「本日」固定では購入回数の集計期間が異なるような設定ができないためです。
開発チーム、コンサルティングチームは悩みました。
より汎用的にコスト低で機能アップデートができる道はあるのでしょうか。
「計算の起点日を変更」する機能の実装により汎用的に効果測定可
長い議論の末、集計の起点が「本日」で固定ではなく、
顧客属性や計算属性(履歴)の日付を指定でき、かつ、日付の加算ができたならば集計期間の自由度が広がると考えました。
今回のポイントリマインドメールであれば、起点日を「メールをした日+1月」設定することで、
人それぞれに応じたメールをした日から1ヶ月間の購入回数を計算させることができます。
※メールをした日はメール送信時に顧客属性に保存できる機能があります。
また、この購入回数を計算するための「計算の起点日を変更」設定は下記の通りです。
この機能の結果、リマインドメールによる失効日までの購入率がわかり、
施策の有用性を評価できるようになりました。
その他の活用例
起点日変更機能の応用はポイントリマインドメールの測定だけにとどまりません。
下記のような利用例にも活用できます。
・ポイント施策の評価。ポイント付与初回日から1ヶ月以内の利用率を調べる。
・初回購入時クーポン付与によるリピート施策評価。商品の初回購入から60日以内のクーポン利用率を調べる。
・アウトバウンドの架電による購入数向上施策評価。アウトバウンドの架電日以降の購入率を調べる。
・クロスセル施策の評価。ある商品の購入日からクロス購入までに至った日数を調べる。
行った施策の効果測定にお悩みの方は、是非この機能をご活用ください!
ライター:樋口