分析
中級

【顧客実感のススメ】“顧客実感”の実現方法とは?~分析編~

この記事はこんな方におすすめ

・顧客実感の実現方法を具体例から知りたい方
単純な数値集計から一歩進んだ「分析」をやりたい方
・新たな気づきを得たい方

<概要>

1)顧客実感とは?
2)“顧客実感”には、要因分析が必要不可欠
3)【事例紹介】分析から“顧客を実感”
 -2軸深層分析
 -ドリルダウン分析

1)顧客実感とは?

普段実施している分析や施策の中で、
「こういう行動をしているお客様はこんな人なんだ!」
「この行動の背景にはこんな理由があったのか!」 
といった気づきから、次の施策や分析に繋がった経験、ありませんか?

この”気づき”のことを、私たちは”顧客実感”と呼んでいます。

顧客を知る・理解すること、つまり”顧客実感”は、
顧客体験価値を向上させる上で必ず必要なことです。

しかし、実際にどのように顧客を実感し、
分析・施策に繋げていけばいいのかが分からない・イメージができないということがあると思います。

そこで、今回は実際に”顧客実感”を体験した他社様の事例をご紹介いたします!

※”顧客実感”の考え方、概念を知りたい方は、こちらのTIPS記事を事前にお読みください※

2)“顧客実感”には、要因分析が必要不可欠

事例をご紹介する前に、分析から“顧客実感”に至るまでのステップをご説明をいたします。

分析をするのはどんな時でしょうか?
「注力商品の売れ行きを把握し、施策実施や改善の判断材料にしたい」
「2回目購入商品を知り、F2転換率を上げたい」
など、様々な目的の上で実施されるかと思います。

その中で重要になってくるのは「要因分析」、つまり理由/背景を知ることです。
定量(数値)データのサマリとなる売上等の件数・割合の集計をしても、
「なぜ購入してくれたのか」の理由/背景って見えてこないですよね。

カスタマーリングスでは「定量集計/傾向把握」だけでなく、
さらにその先の「要因分析(理由/背景)」まで深堀り、顧客を実感することができます。

では、具体的にカスタマーリングスでどのような“顧客実感”ができるか、をお伝えします。

3)【事例紹介】分析から“顧客を実感”

事例1:「クロス分析」------------------------------------------------------------------------------

軸1と軸2を自由にかけ合わせることができ、私たちは「2軸深層分析」とも呼んでいます。

かけ合わせた結果、どのような“顧客実感”が体験できたのかの事例を2つ紹介します。

1-1.媒体別に件数が違うのはなぜ?------------------------------------------------

媒体ごとの件数を集計した、担当者Nさん。
集計したことで「媒体C」が他媒体に比べ少ないことがわかりました。
【媒体別件数】


しかし、少ないことは分かりましたが、「なぜ少ないのか」がこのままだとわかりません。
そこで、F2転換日数の軸を追加し、クロス分析してみました。

【媒体別件数 × F2転換日数】


そうすると、媒体CだけF2転換するまでの日数が想定よりも長いことがわかり、
“顧客実感”を体験することができました。
各媒体ごとに訴求内容や構成を変えていたため、
この結果から、媒体A、Bの内容を参考にLPの変更をした事例となります。

軸1のみの集計から軸2の選択を行ったことで、
要因の深堀りができ、具体的な気づきや発見につなげることができました。

1-2.アウトバンドによる効果の差は?---------------------------------------------

アウトバンド有り無しで、F2転換率を集計した、担当者Yさん。
集計しましたが、有意差が出るほどの効果がないことがわかりました。
【アウトバンド有無のF2転換率】


しかし、本当にアウトバンドの効果がなかったのでしょうか?
そこで、電話種別の軸を追加し、クロス分析してみました。

【アウトバンド有無のF2転換率 × 電話種別】


そうすると、携帯番号と固定番号でF2転換率に差があることがわかり、
“顧客実感”を体験することができました。
この結果から、アウトバンド対象者を固定番号のお客様のみに変更した事例となります。

1軸だけだと効果がないのでは?と受け取れる結果でしたが、
2軸での深堀りにより、対象者の最適化をすることができました。

事例2:「ドリルダウン」---------------------------------------------------------------------------

カスタマーリングスでは、数値の集計だけでなく数値をクリックするだけで、
実際にどんな方が購入したのかをドリルダウンすることができます。

ドリルダウンした結果、どのような“顧客実感”が体験できたのかの事例を1つ紹介します。

2-1.キャンペーン施策が成功したのははぜ?------------------------------------

キャンペーンの効果集計のため、
キャンペーン対象者/非対象者で3か月間の購入金額を集計した、担当者Oさん。
集計したことで、キャンペーン利用者のほうが購入金額が高くなっていることがわかりました。

【キャンペーン対象者別3か月購入金額】


しかし、購入金額が高く成功したことは分かりましたが、
「なぜ成功したのか」「次も同じ施策をすれば成功するのか」がこのままだとわかりません。
そこで、キャンペーン利用者が実際にどんなお客様がどんな商品を購入したのか、ドリルダウンをしてみました。
【キャンペーン利用者 × 購入商品】


そうすると、想定していなかった「マスク」購入者が多いことがわかりました。

さらに「マスク」購入者をドリルダウンし、顧客区分で見てみました。
【キャンペーン利用者(マスク) × 顧客区分】


そうすると、意外と新規のお客様の方がキャンペーンに反応し購入してくれていることがわかり、
“顧客実感”を体験することができました。
この結果から、もっと新規向けのキャンペーン訴求に切り替えるべき、と施策改善につながった事例となります。

KPI/ROIの評価に留めることなく、
実際に購入した人がどんな人なのかをまでドリルダウンすることで
施策が成功・失敗した理由を理解し、再現性をもって施策を行えるようなりました。

いかがでしょうか?

顧客を知る・理解すること、つまり”顧客実感”は毎日の業務の中での気づきから始まります
この記事を読んで、
「実は今まで“顧客実感”してたんだ!」 「“顧客実感”してみたい!」 「“顧客実感”から次の施策につなげられそう!」
と感じていただけていたら嬉しいです!

“顧客実感”の事例は今回ご紹介した分析だけでなく、「ジャーニーマップ」「アンケート」など多数ございます。
こちらはまた別の機会にお話いたしますのでお楽しみに!

ライター:五味